村上春樹『ノルウェイの森』ヒロイン・小林緑の名セリフ4選

村上春樹の代表作といえば、『ノルウェイの森』ですよね。

『ノルウェイの森』は、村上春樹が1980年代後半にギリシャに住んでいるときに書き上げた作品です。この『ノルウェイの森』は世界中の方に読まれている名作中の名作。

『ノルウェイの森』を村上作品のなかでいちばんの小説として挙げる人もけっこう多いです。

『ノルウェイの森』では、魅力的な登場人物が何人も出てきますが、そのなかのひとりが主人公のワタナベ・トオルが最後に選ぶ小林緑という女の子。

この小林緑というキャラクターは主人公と同じ大学に通う学生。実家は小林書店という小さな書店を経営していて、お店の手伝いをしながら入院中の父の看病もする優しい女の子なのです。

小林緑というキャラクターは物語のあちこちで、20歳前後の女の子らしからぬ深みのある名セリフを残しています。

今回はそんな小林緑の名セリフ4選を紹介しようと思います。

『ノルウェイの森』ヒロイン・小林緑の名セリフ4選

(画像:kindle版表紙より)

人より上に行くコツを語る小林緑

つまりね、他の人が書かないようなことをちょっと盛りこんでおけばいいのよ。すると地図会社の担当の人は『あの子は文章が書ける』って思ってくれるわけ。すごく感心してくれたりしてね。仕事をまわしてくれるのよ。べつにたいしたことじゃなくていいのよ。ちょっとしたことでいいの。たとえばね、ダムを作るために村がひとつここで沈んだが、渡り鳥たちは今でもまだその村のことを覚えていて、季節が来ると鳥たちがその湖の上をいつまでも飛びまわっている光景が見られる、とかね。そういうエピソードをひとつ入れておくとね、みんなすごく喜ぶのよ。ほら情景的で情緒的でしょ。普通のアルバイトの子ってそういう工夫をしないのよ、あまり。だから私けっこういいお金とってるのよ、その原稿書きで。

主人公のワタナベ・トオルとアルバイトの話をしたときの緑のセリフです。

緑は地図の解説を書くアルバイトをしており、そこでそこそこいいバイト料をもらっているようで、そのコツを説明しています。

「他人が書かないようなことを盛り込む」=依頼以外にちょっとしたサービスを盛り込むというのは、大切ですよね。

死生観について語る小林緑

私が怖いのはね、そういうタイプの死なのよ。ゆっくりとゆっくりと死の影が生命の領域を侵蝕して、気がついたらうす暗くて何も見えなくなっていて、まわりの人も私のことを生者よりは死者に近いと考えているような、そういう状況なのよ。そんなのって嫌よ。絶対に耐えられないわ、私

ワタナベ・トオルをはじめて自宅に招き、昼食をふるまい、食後にベランダで近所の家事をふたりで眺めていたときのセリフです。

緑の家系は、病気で苦しみぬいて死ぬ人が多いのです。

それを間近でみてきた緑からすると、火事で一瞬で死ぬのなんて恐怖はなく、じわじわと死へ近づくタイプの死に恐怖を感じてしまうのです。

ノルウェイの森では登場人物の半分が自殺しますが、物語のあちこちに死に関してのエピソードがちりばめられています。

待つことについて語る小林緑

一日中家の中にいて電話を待ってなきゃいけないなんて本当に嫌よね。一人きりでいるとね、体が少しずつ腐っていくような気がするのよ。だんだん腐って溶けて最後には緑色のとろっとした液体だけになってね、地底に吸いこまれていくの。そしてあとには服だけが残るの。そんな気がするわね、一日じっと待ってると

緑の自宅での昼食会を終えて、ワタナベ・トオルが帰るときに緑が言ったセリフです。

家のなかで、いつ鳴るかわからない電話を待つときの孤独感。その孤独の説明もなかなか独特です。

何かを待つというのが、とても孤独でさみしい行為なのだということに気づかせてくれるセリフです。

人生について語る小林緑

ビスケットの缶にいろんなビスケットがつまってて、好きなのとあまり好きじゃないのがあるでしょ?  それで先に好きなのどんどん食べちゃうと、あとあまり好きじゃないのばっかり残るわよね。私、辛いことがあるといつもそう思うのよ。今これをやっとくとあとになって楽になるって。人生はビスケットの缶なんだって

このセリフは、物語の終盤あたりに出てくるセリフです。緑は父を亡くし、葬式をおこない、父が経営する書店を売り、姉妹二人での新たな生活をはじめました。

父親を亡くし、実家の書店を売り払い、つらい日々を過ごした緑。緑はそれらの日々をただつらいと受け止めるだけではなく、これから先の未来にはきっといいことが待っているはずだと前向きにとらえています。

緑の「人生はビスケットの缶」理論は、とても素敵な考え方です。

『ノルウェイの森』をオーディオブックで聞くには

kindle版の『ノルウェイの森』を購入し、スマホの読み上げ機能を使う

現在(2022年8月時点)、『ノルウェイの森』は、オーディオブックで公式に作品がないので聞けません。

代案としては、kindleで『ノルウェイの森』を購入して読み上げ機能を使えば、若干たどたどしくはあるのですが、自作の朗読音源ができあがります。

こんな感じです。

上記で紹介した『ビスケットの缶』のエピソードのところです。

やり方(iPhoneでは)としては下記です。

1.設定の中のアクセシビリティから読み上げコンテンツを開きます。

2.画面の読み上げをオンにします。

3.kindleで『ノルウェイの森』を開き、画面上部から下に2本指でスワイプします。

機械なので、ときどき変な読み方をするときがあります。

読み上げの精度は96%くらいって感じです。

ただ間違った読み方の箇所を「読み上げコンテンツ」ページの「読みかた」で逐一訂正すれば、次回からはしっかりその修正を反映して読み上げてくれます。

自分はこの案で『ノルウェイの森』を聴いているのですが、じゅうぶん聞けます。

紙の本で『ノルウェイの森』を持っているのですが、読み上げ機能を使う目的でkindle版も持っています。

『螢・納屋を焼く・その他の短編』。オーディブルで『螢』の部分だけ聞く

村上春樹さんは『螢』という短編を元に、『ノルウェイの森』を書き上げました。

この『螢』は現在、Amazonオーディブルでオーディオブックとして登場しています(2022年8月下旬時点)。

ちなみに、この『螢』を朗読しているのは、『ノルウェイの森』の映画でワタナベを演じた松山ケンイチさんです。

『螢』以外にも下記の作品がオーディオブックになっています。

・ねじまき鳥クロニクル(1,2,3部)

・東京奇譚集

・螢・納屋を焼く・その他の短編

・神の子どもたちはみな踊る

・職業としての小説家

村上さんは何度も書き直しをすることで有名です。

あと書き直しの際に、”耳”を使って音の響きを確認しながら書き直ししているみたいです。

だから、村上春樹作品をいちばん楽しめる方法は、もしかしたらオーディオブックなのかもしれません。

『ノルウェイの森』がないのは残念ですが、Amazonのオーディブルで過去の村上春樹作品を耳で楽しむのも良いですよ。

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思い切って英語でノルウェイの森(Norwegian Wood )を聞きながら読む

調べてみたところ、Amazonオーディブルでは、Norwegian Woodがありました。

『ノルウェイの森』を一度読んだことがある人なら、ストーリーを知っているはず。

英語の勉強もかねてAmazonオーディブルで、『Norwegian Wood』を聞いてみるのもよいでしょう。

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手元にペーパーバックの『Norwegian Wood』があれば、ナレーターの朗読も目で読めますから、英語の勉強にはうってつけかもしれません。

目を休ませる読書

kindle unlimitedは目が疲れるからおすすめしない。オーディブルで耳読書のほうが楽です。

まとめ

今回紹介したセリフ以外にも、小林緑の素敵なセリフがまだまだたくさんあります。

『ノルウェイの森』は世界的なベストセラーですから、読んで損はないはずですよ。

僕は1年に1回はこの作品を読み返していますね。

ぜひいちど『ノルウェイの森』読んでみてください。

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