村上春樹作品のファンを15年くらいやっています。
村上春樹作品をはじめて読む方におすすめしていることが1つあります。
それは小説ではなく、エッセイから読み始めることです。
村上春樹さんの小説は独特の表現・独特の世界観で、ついていけない人が多いため、挫折しがちなのです。
ただ、エッセイの場合はちがいます。
簡単な言葉だけで書かれていて、シンプルで読みやすいのです。
なかでも、シンプルで読みやすいエッセイが1冊があります。
『使いみちのない風景』というエッセイです。
この『使いみちのない風景』は村上春樹さんのエッセイのなかで、僕がいちばん好きな作品です。
小説を読んで村上春樹作品に挫折してしまった人も、この本ならすらすらと読めると思いますよ。
もくじ(各リンクから移動できます)
『使いみちのない風景』はどんなエッセイ?
『使いみちのない風景』をざっくり説明すると、村上春樹さんがこれまで見た風景の記憶についてのエッセイです。
フランクフルトの動物園でアリクイの夫婦を見た、とか、ギリシャで乗ったボートで見かけた若い水兵のまなざしがずっとこころに残っている、とか。
その風景の記憶はいったいどんな意味があったんだろう?と村上春樹さんが考察しています。
この『使いみちのない風景』のいいところは村上春樹さんの文章だけではなく、写真家の稲越功一さんの写真がたくさん掲載されていることです。
海外のどこかの国(村上春樹さんが以前住んでいたギリシャがメインのはず)の路上の写真、海の写真……どれも素敵です。
稲越功一さんの写真がたくさん掲載されているので、この『使いみちのない風景』は読みやすいのです。
この『使いみちのない風景』というタイトルについて。
村上春樹さんはブラジルの作曲家であるアントニオ・カルロス・ジョビンの『Useless Landscape』というタイトルに影響を受けて、このタイトルにしたそうです。
【村上春樹】初心者には『使いみちのない風景』がおすすめ
この『使いみちのない風景』を1冊読むと、海外のどこかの国を旅をした気分になれます。
いまはコロナの影響で簡単に旅行ができない日々が続きますから、おうちでこの『使いみちのない風景』を開けば、ソファーの上でちょっとした旅行気分を味わえますよ。
村上春樹さんといえば長編小説の印象を持たれる方もいるかもしれないですが、この『使いみちのない風景』は30分〜1時間もあれば読めます。
「村上春樹作品、何から読み始めればいい?」と聞かれたら、間違いなくこの『使いみちのない風景』をおすすめします。
村上春樹作品初心者の方、村上春樹作品に1回挫折した方にぜひとも読んでもらいたいエッセイです。
『使いみちのない風景』ってタイトルが何より素敵ですし、文章も読みやすいのでほんとにおすすめです。