2021年12月に葉加瀬太郎さんのラジオ番組『ANA WORLD AIR CURRENT』に砂場研究家のCodama(こだま)さんが出演されていました。
『砂場研究家』という聞き慣れない肩書きに、まず驚きました。
そういえば、もう20年以上も砂場遊び・泥団子づくりをしていないですね。
この記事では番組内で砂場研究家のCodamaさんが話されていたことのまとめ、自宅で楽しめる砂場グッズなどを紹介していきます。
もくじ(各リンクから移動できます)
葉加瀬太郎ラジオ・砂場研究家Codamaさん出演回まとめ
砂場研究家のCodama(こだま)さんについて
Codamaさんは前職で保育園建設事業プロジェクトの責任者になったことをきっかけにして砂場の魅力に気づいたそう。
現在は砂場研究家として、世界の砂場をめぐりながら砂場づくりのアドバイスやプロデュースを全国各地でおこなっています。
またほかにも、土に触れるきっかけづくりとして泥団子のワークショップも開催しているとのこと。
砂場研究家になるまで・砂場について
保育園建設事業プロジェクトの責任者になったことをきっかけにして、子どもにとってどのような教育がいいかを考えたというCodamaさん。
どんな園庭がいいんだろうと考えていたら、砂場の存在に出会ったそう。
1993年に都市公園法が改正されて、砂場の設置義務がなくなりました。
1995年には幼稚園での砂場設置義務もなくなりました。
これを機に日本から砂場が減少していきました。
砂場にフタをされる光景や砂場への立ち入り禁止が増加したことに、葉加瀬さんは当時、危機感を抱いていたのこと。
まわりの菌に触れていくことで自然と免疫力がつくられていくはずです。
土に触れていくことの大切さを伝えるために、Codamaさんは砂場研究家として活動しているそうです。
Codamaさんは前澤友作さんから100万円を寄付してもらった
Codamaさんはツイッターでハッシュタグをつけて砂場研究の夢を語ったことにより、前澤さんの目にとまり、100万円を受け取ったそうです。
で、その100万円をもとにして、砂場研究として砂場の起源といわれるドイツ、そして持っていた砂場道具がデンマーク製だったとのことでデンマークへと向かったそうです。
ヨーロッパは砂場文化が進んでいる
ヨーロッパでは砂の質、砂場のつくりが違うそうです。
日本の砂は粒子が粗くて、硬い。
ヨーロッパの砂は小さく粒子が細かい。
子どもの視点で考えた場合、粒子が細かいほうが楽しめます。
裸足で走っても、手を突っ込んでも痛くない砂場が基本。
どの砂場も粒子がさらさらで細かく、均等できれいだそう。
日本とは違い、ヨーロッパでは雨が降ったときには自然に砂を洗う設計にもなっているみたいです。
あとは砂場の真ん中に水場があるとのこと。
砂遊びに水が不可欠である点を遊具の設計に落とし込んでおり、どの街にも魅力的な砂場がたくさんあるようです。
Codamaさんのデンマーク・ベルギーの旅のエピソード
Codamaさんはデンマークでは現地の方の自宅に宿泊させてもらったそうです。
そのご自宅のデンマーク人の子育てを見て「社会で活躍する人材を各家庭で育てている意識」を感じたとのこと。
デンマークでは子どもをしっかりと社会へ送り出すために、子どもの承認欲求を満たしてあげながら育てており、ひとりひとりが豊かな国にをつくるための努力をしていることを実感したそうです。
ベルギーについて。
ベルギーも砂場の質がすごいそうです。
粒子が細かくて均等で、白い砂。
砂場と他の遊具の境もあまりないそう。
子どもの遊びってシームレスなんだなとあらためて気づいたそうです。
Codama流・泥団子の作り方について
Codamaさんは定期的に泥団子づくりのワークショップを開催しているそうです。
子どもたちに土と砂に触れてもらう機会をつくるためにおこなっているみたいです。
泥団子を作る際に使う道具がなんと牛乳瓶。
土と砂を混ぜたあと、牛乳瓶の口を使って泥団子を回転させて削っていくことで丸くなっていきます。
その後、泥団子の表面を平らにするために、牛乳瓶の底を使うことで水分が抜けてだんだん硬くて本格的な泥団子になっていくみたいです。
作り方の動画があったので興味がある人は見てみてください。
Codamaさんがつくった泥団子画像まとめ
すごいですよね。
ここまでつくっていくともはやアートです。
自分が昔つくっていた泥団子は、ほんとにただの泥団子でした。
いま子どもで、こんなきれいな泥団子をつくれたら楽しいんだろうな、と思ったりします。
ラジオを聞いて個人的に感じたこと。今後の日本の砂場・公園について
今回のラジオではじめて砂場研究家という存在を知りました。
聞いていてふと、子どものときは砂場で遊んだり、泥団子をつくったり、粘土で遊んだりしていたな、という懐かしい記憶が蘇ってきました。
当時、日常の中で普通に『土・砂』などに触れていた気がします。
それがよかったかどうかは当時はわからなかったのですが、いま振り返ってみると、そうやって楽しみながら自然に免疫力を高めていたんだと思います。
ヨーロッパなどでは土と子どもの成長の関係の重要性に気がついており、それが公園の砂場の充実さとしてあらわれているんでしょうね。
いま、日本の公園で遊ぶとしたら、砂・土が汚いとか、不審者が多いから危険だとか、さまざまな理由で外での土遊びができない状況が増えている気がします。
短期的には子どもの安全を守るために砂場を遠ざけることも大切ですが、長期的な視点(子どもの健康、性格の形成などを考えると)で見ると、砂場遊び・土遊びをさせないことは子どもにとっては危険なことなのかもしれません。
昨今増加する、子どもの自殺、ひきこもり、うつなどの精神的な問題についても、根本には子どもの土離れ・自然離れがあるように思ったりします。
人間はやっぱり動物であり、ビル群やコンクリートまみれの街ではうまく生きていけないのかもしれないです。
だからこそ、本能的に自然を求めたり、近年ではキャンプブームが沸き起こったりしているのかもしれません。
近代医学の父・ヒポクラテスの『人間は自然から遠ざかるほど、病気に近く』という言葉を思い出します。
人間も結局、自然の一部ですし、その自然に背を向けるような生き方では最終的に人間はだめになってしまうのでしょう。
なかなか自然に触れる機会をつくることはむずかしいですが、意識的に自然・土に触れる機会をつくっていくことが子どものためにも、もちろん大人にとっても良い気がします。
ただ、自分の子どもを公園で遊ばせることについては正直怖いですね。
少し目を離したら、不審者に連れ去られたり……とか考えだすと、ちょっと落ち着きません。
最近は幼児への性的犯罪事件も多いですし、公園での砂遊びは汚いし、危なそう……。
それがいまの個人的な感想です。
砂や土に触れ合う教育は、各家庭でおこなっていくしかないのかも
砂や土に触れていくことは子どもの成長にとって欠かせない要素かもしれません。
子どもだって、砂や土に触れて泥団子をつくって遊びたいはずです(自分も子どものときは砂遊び、土遊び、泥団子づくりは楽しかった記憶があります)。
ただ、不審者が多く、誘拐の危険リスク等も考えなければいけない現代においては、思い切って自宅に簡易的な砂場をつくるというのがわりと現実的な対策かもしれません。
ツイッターなどで見ると、自宅に砂場を作ったりしている人も多いです。
ツイッターでの「自宅に砂場を設置した人の声」
自宅の砂場で遊ばせるのであれば、目の届く範囲で子どもが土に触れられますし、親としては安心できそうです。
砂場=公園にあるものという認識でしたが、Amazonなどで普通に売っていました。
いまの時代、売ってないものはないんですね。
まとめ
スマホ・タブレット・PCなどのデジタル機器まみれの現代。
子どものことをほんとうに思うのであれば、土・砂等の遊びを取り入れてあげることも大切かもしれませんね。
子どもがスマホやタブレットで遊ぶ光景というのはやはり寂しいし、おかしい気がします。
もっと自然との触れ合いの機会を増やさなければ、人としての大切な何かが欠落したまま成長してしまいそうな気がして怖いです。
小学生高学年くらいになると、さすがに砂場遊びなんてやらないでしょうから、幼稚園から小学校低学年あたりのお子さんがいたら、積極的に砂遊び、土いじりをさせてあげてください。
砂場研究家のCodamaさんのHPはこちら。