SDGs(Sustainable Development Goals『持続可能な開発目標』)、SDGs……いろんなところで聞くこちらの言葉。
地球のために、レジ袋をもらわないとか、エコバッグを使うなど。
もちろんやらないよりはやったほうがいいでしょう。
しかし、なぜか何をやっても地球のためになっている手応えがないと感じてしまいます。
そんな気がしませんか?
そもそも何が地球に大きなダメージをあたえているか、調べてました。
環境活動家のポール・ホーケンがまとめた著書『ドローダウン』では、食料分野の解決策を実行した総和こそが、最大の温室効果ガス削減につながると書かれています。
つまり、自分たちが普段からおこなっている『食』をみなすことで、地球にシンプルに貢献できるわけですね。
では、名もなき一般市民が地球のために日常的にできることはなんだろうか?
ずばり少食です。
地球に住む80億人がそれぞれのやり方で少食生活をすることこそが、もしかしたらいちばんシンプルなSDGsなのかもしれません。
もくじ(各リンクから移動できます)
少食になるためのおすすめの考え方【少食は愛と慈悲の行為=ほぼSDGs】
「少食は愛と慈悲の行為である」とは、医師・甲田光雄先生が著書『あなたの少食が世界を救う』の中で書いている言葉です。
「少食は愛と慈悲の行為である」。
少し壮大でおおげさにも聞こえる言葉です。
ひとりひとりの少食生活が、どうして愛と慈悲にあふれた行為になるのだろうって思いますよね。
とりあえず下記の文章を引用しますので読んでみてください。
少食が実は、動・植物の「いのち」をなるべく殺生しない、という愛と慈悲の具体的表現であるとわかって、宇宙の神の深淵なはからいに驚嘆することになるのです。「人類が幸せな運命を全うするためには、各人が愛と慈悲を実行することである」と釈尊やキリストが教えておられますが、それが食生活においては少食を守るということであったわけです。
『あなたの少食が世界を救う』より
人類が何かを食べるとき。
動・植物の「いのち」を殺してそれらを食材にすることを意味します。
人類が食の分野で大量生産・大量消費をすればするほど、たくさんのほか「いのち」を殺す必要があるわけですね。
では、人類が少食であればどうでしょう。
少食ならば、ほかの「いのち」を殺すことが”最小限”になります。
少食になることは自分ひとりの健康問題だけにとどまらないことが上記の文章からわかります。
「健康になりたい!痩せたい!」と考え、自分ひとりのためだけにおこなう少食は、日常のストレスに影響を受けてすぐさまバランスを崩されてしまいます。
しかし、地球の視点で、地球上で生きて、食べものとなる動・植物の視点から、人類の食生活を考えてみたらどうでしょう。
ひとりひとり人間が少食生活をおこなうことは、地球の生きもの、そして地球の環境を守ることにつながるわけです。
少食をこのように考えたら、自分の食欲ってわりとどうでもよくなりませんか?
空腹感も適度に気持ちいいと思えませんかね。
自分はこの考え方を思い出すとストレスによって湧いてきた食欲をわりと不思議におさえることができるのです。
食べるという行為は、動・植物を殺すこと。
1食分もしくは1日分を食べないで過ごせたということは、地球上の動・植物の殺しに加担しないで済んだ、と。
われわれひとりひとりが少食を取り入れることは、地球環境の破壊を最小限にとどめることにつながるのです。
つまり、少食=いま流行りのSDGsな行為、というわけですね。
自分の少食が地球環境のために、地球上で生きる生き物たちのためにとっても良いことだというふうに広い視野で考えることができたら、個人的で暴れがちな食欲も落ち着きを見せるはずです。
食欲が気になってしまうときにおすすめの対処法
少食が地球全体のことを考えた愛と慈悲の行為であることは、わかった。
それでも、食欲が湧いてしかたない!……ということもあるでしょう。
わかります。
たとえば今日は夕飯は抜こうと考えている日。
月曜日は断食しようと固く決めた日など。
「ご飯を食べないぞ」と考えていると逆に食事のばかりを考えてしまいがちです。
そして、気づいたら日常のささいなストレスが積もって大きなストレスとなり、結局、食べものに手が伸びてしまいます。
自分の経験上、少食・断食をする上ではストレスを少しでも軽減させることが大切だと思います。
個人的におすすめは下記の3つですね。
不食の弁護士・秋山佳胤さんも勧める散歩
ストレスは食欲となってあなたに不要なものを食べさせようとしますので、適度な散歩がおすすめです。
不食の弁護士として有名な秋山佳胤(よしたね)さんは『不食という生き方』という本の中で下記のようなことを書いています。
気分転換に散歩する、ちょっと遠出をする、そういうことがリフレッシュになるのは、悩みを「忘れる」状況を作り出すからです。「私は体を動かすことで忙しい」そうやって脳をだますのです。
『不食という生き方』より
歩くと気が紛れます。
気分転換になって、ストレスも減ります。
歩く際は、なるべく緑の多い道、車の通りが少ない道がおすすめです。
寒暖差、強風はわりとストレスにもなるので、散歩する際は風の強さ・気温などの天気のチェックを忘れずに。
趣味などの好きなことに打ち込む
食欲をまぎらわすために、食べること以外で好きなことをしましょう。
好きなことに没頭していると時間を忘れられます。
これによって食事のことも一緒に忘れられます。
気軽に家でできる方法としては読書です。
イギリスの大学のデータによる、6分間の読書でストレスの約7割が軽減させるそうです。
好きなことがとくにない人は映画やドラマを一気に見て時間をつぶす
最近、気づきました。
スマホやタブレットで映画やドラマを一気に見ることは何もやる気が起きないとき、動けないときにいちばん簡単に時間がつぶせる行為なのだ、と。
何も考えずに画面を見ていればいいわけですからね。
その映画やドラマがおもしろければ簡単に2時間くらいをつぶすことも可能です。
食欲を忘れるくらいにおもしろい海外ドラマを一気に見てしまったという経験をしたことがある人もいるでしょう(『24』や『プリズンブレイク』)。
なので、普段から見たい映画やドラマをリストアップしておくのが良いでしょうね。
まとめ
レジ袋を断って、エコバッグを使っていも、1日3食も食べて、おやつも欲望にまかせて食べていては地球のためになる行為とは言えないでしょう。
ただストレスフルな現代において、地球のことを考えて少食生活を続けるのはちょっと無理があります。
それよりは、自分の少食生活は地球の生きもの・環境を守るために役に立っているのだという視点を持つことで、冷静さを取り戻して食欲を落ち着かせることができるかもしれません。
そして、少食生活(ほかの動・植物を殺さずに済んだ、地球環境を破壊しないで済んだ)ができたときには自分自身をほめてあげましょう。
「少食は愛と慈悲の行為である」。
少食生活ができないなと感じたときは、この新しい視点をぜひ取り入れてみてください。
この記事で紹介した甲田光雄先生の著書は下記です。
少食をする上での新しい考え方が詰まった価値のある一冊ですので読んでおいて損はないです。