今回はきのうの記事でも紹介しました小説家・村上春樹さんの音楽イベント『村上JAM いけないボサノヴァ』についてです。
2021年2月14日19時からオンライン配信されましたので、さっそく視聴してみました。
ちなみに、この村上JAMですが、前回は2019年6月にはじめておこなわれました。(このときは、リスナー150名を無料招待とのことで応募したのですが、あっけなく落選。後日放送されたラジオでそのイベント音源を聞きました)
この2019年のイベントが好評だったこともあり、今回2021年2月14日のバレンタインデーに『村上JAM いけないボサノヴァ』が開催されることになったわけです。
ただ、今回の『村上JAM いけないボサノヴァ』は有料イベントなのです。
会場はTOKYO FMホール。会場の座席は100席限定で販売されました。
が、会場の座席はSOLDOUT。
驚くべきはその会場座席の料金……2万円です。2万円……!?
生の村上春樹が拝めるとはいえ、ちょっと高額すぎて購入をためらってしまいました。
ただ、今回はオンライン配信チケットが発売されました。(前売りは3500円。当日以降は4000円)
なので、このイベントをリーズナブルなオンライン配信で楽しませてもらいました。
音楽も楽しみだったのですが、それ以上に楽しみだったのが、あの村上春樹さんが『何をしゃべるのか』『何を朗読するか』でした。
今回の記事では音楽についてではなく、村上春樹さんの発言と朗読を中心にまとめています。
*この記事はイベント内の村上春樹さんの発言についてかなり触れていますので、ネタバレなしで、これからオンライン配信を視聴しようとしている方は読まないことをおすすめします。
もくじ(各リンクから移動できます)
村上春樹さんは何を話したか?
今回の村上JAM〜いけないボサノヴァ〜では、グッズ販売がされました。
オリジナルマグカップやTシャツなどです。Tシャツはこだわりの素材で作られているとのこと。
で、販売されているグッズを紹介するコーナーがあり、「ショッピングチャンネルみたい(笑)」とお茶目な村上さん。
司会の坂本美雨さんから、Tシャツは着ますか? の質問に対して、「本まで出してます(笑)」と会場を笑わせていました。(その本のタイトルは『村上T 僕の愛したTシャツたち』)
ここ最近はコロナで外国に行けないという話題では、「日本でずっと仕事をしています。最近は近所を走っていて、イノシシに会いました。大型犬かなと思ったら、イノシシでした。日本もワイルドだなぁ(笑)」とのことした。
村治佳織さんとのトークではギターの『練習』の話になり、「小説家のいいところは、練習をしなくていいところ」と村上さんは発言されていました。
村上春樹さんは何を朗読したか?
イベント終盤。村治佳織さんの伴奏で、村上春樹さんが朗読をするパートになりました。
伴奏つきで朗読するのは初めて、とのこと。
村上春樹さんが朗読用のテキストとして選んだのは、『1963/1982年のイパネマ娘』
今回は朗読用にちょっと手を加えてきたとのこと。
こちらは、短編集『カンガルー日和』に収録されている作品です。
この『1963/1982年のイパネマ娘』は、アントニオ・カルロス・ジョビンへのオマージュだ、と話しながら、朗読の準備を進める村上さん。
そして、アントニオ・カルロス・ジョビンにまつわるエピソードを披露されてました。
昔見たアントニオ・カルロス・ジョビンが出ていたテレビ番組で、アントニオ・カルロス・ジョビンが演奏しているステージの最前列でスーツを着たサラリーマン2人組が演奏そっちのけで、ぺちゃくちゃおしゃべりをしていたそう。
そのシーンを見て、「カルロス・ジョビン様が演奏してるのに、何でしゃべってるんだ!」と村上春樹さんはすごく腹が立ったとのこと。
それから時が流れ、そのときのテレビ番組をWOWWOWでふたたび見たときも、ステージの最前列でスーツを着たサラリーマン2人組のおしゃべりにやっぱり腹が立ったそう(笑)
まとめ
今回の『村上JAM いけないボサノヴァ』で、僕は人生初のオンライン配信ライブというものを経験しました。
結果として、オンライン配信チケットを購入してよかったです!
メディアへの露出が極端に少ない村上春樹さんの貴重なトークシーンや動く『生・春樹』を見られます。
外出自粛の状況もありますし、家で気楽にゆっくり見られたのもよかったポイントです。
村上春樹さん、若々しくて、朗読の声も素敵でした。
朗読された『1963/1982年のイパネマ娘』も読み返してみたいと思います。
アーカイブ配信は繰り返し視聴できるので、配信終了までじっくり聴き直したいと思います。
ちなみに、今回の『村上JAM いけないボサノヴァ』の配信は2021年2月21日23時59分まで、とのことです。
オンライン配信チケットはまだ販売中のようですので、興味がある方はぜひこちらからどうぞ。
今回朗読された『1963/1982年のイパネマ娘』は短編集『カンガルー日和』に収録されていますので、ぜひこちらも読んでみてください。