「好きなことで生きていく」。
成功したYouTuberが語るこの言葉を使った広告が一時期はやりましたよね。
「好きなことで生きていく」。
自由を感じさせてくれる素晴らしいフレーズです。
聞いた最初の頃はそう感じたのですが、時がたつにつれて、「あれ、このフレーズ、なんかしんどいぞ……」と感じる日々が続いていました。
「好きなことで生きていく」が世間にかなり広まってしまったせいで、ぜんぜん好きなことをして生きていけていない自分を自己否定し始めていました。
この「好きなことで生きていく」という生き方を究極的な生き方として、とりあえず頑張ってみるものの、そこにたどり着くには意外にハードルが高かったり……運も必要だったり……。
簡単にはいかないことが多く、理想と現実のギャップに苦しんでいる自分がいました。
みなさんはいかがでしょう?
この「好きなことで生きていく」がいま、多くの現代人を苦しめているように思えてならないのです。
そのようなときに、『年収90万円で東京ハッピーライフ』の著者である大原扁理(へんり)さんの言葉を知りました。
「好きなことで生きていく」ではなく、「嫌いなことをして死なない」。
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「好きなことで生きていく」ではなく、「嫌いなことをして死なない」。【『年収90万円で東京ハッピーライフ』・大原扁理さん】
2021年10月9日に文化放送の『村上信五くんと経済クン』というラジオ番組に出演していた、『年収90万円でハッピーライフ』の著者・大原扁理さんが下記のようなことを言っていました。
大原さんという方は東京の郊外にある多摩で週休5日の隠居生活をしていた方です。
週2日は介護のお仕事をしていたそうです。
その様子をまとめた『年収90万円でハッピーライフ』の著者で、ここ最近かなり注目されています。
そんな大原さんの「嫌いなことをして死なない」は、「好きなことで生きていく」の呪縛から解放してくれる素晴らしい考え方です。
たしかにいま、「好きなことで生きていく」という生き方が”絶対的な正義”であるかのように”猛毒”として、社会に広まってしまっている状況だと思います。
その結果、好きなことで生計を立てられない多くの人を苦しめてしまっているわけです。
好きなことで生きていけない人は負け組なのか
大原さんの言葉を聞いてから僕自身のなかでは、「好きなことで生きていく」が「好きなことをして生きていかなければいけない」に変形して、それが最終的に「好きなことで生きていけない人は負け組だ」になって、自分を苦しめていたことに気がつきました。
「好きなことをして生きていく」はたしかに理想かもしれない。
ただし、すべての人がその理想を手に入れられるわけではないですよね。
現実的には。
多くの普通の方が日々感じている息苦しさを言語化すると、この「好きなことで生きていけない人は負け組だ」にたどりつくのではないでしょうか。
では、好きなことで生きていけない人は負け組なのでしょうか?
……負け組ではないです!
好きなことをして生きていなくても、やりたくないことをなるべく回避して、日々生きているだけで本当はじゅうぶん勝ち組なはずです。
でも、なかなかそうは思えませんよね。
YouTubeにあげた動画が何百万回も再生されてたくさん収入を得ている人の生き方と比べてしまったら……。
ここにもう1つの猛毒があります。
それは”他者との比較”です。
『他人との比較』という猛毒もまた人を苦しめる
SNSで誰かの華やかな生活を目にする、と落ち込むことってありますよね。
SNSを意識して見ないときでも、現代ではいろいろな角度からさまざまな形をとって、他者の”自慢”が自分のもとへとやってきます。
年収自慢だったり、容姿自慢だったり、所有物自慢だったり……。
そのとき、それらと自分の現状をいちいち比べると精神が疲弊していきます。
現代には『他人との比較』という猛毒が存在しています。
対策としては、見知らぬ誰かが発信する不要な情報はなるべく取り入れないこと。
暇にまかせて、だらだらネットやSNSを見ないことです。
まとめ
好きなことで生きていけるのは一部の成功者だけで、その成功者の位置にたどり着くのは「運」も必要なはずです。
というわけで、
・「好きなことで生きていく」ではなくて、「嫌いなことをして死なない」
・誰かと自分をいちいち比べない。
現代社会で平穏に生きていく上で、これらは重要な考え方です。
これまでは「好きなことで生きていく」という甘い言葉にこれまで苦しめられてきました。
これからは『好きなこと』を並べてそのなかからやりたいことを選ぶ生き方ではなく、『嫌いなこと』・『やりたくないこと』を羅列し、それらをやらない生き方をする。
それだけで楽に生きられそうです。
『嫌いなこと』や『やりたくないこと』をしない。
そうすれば、常に”平穏”でいられる。
これだけでじゅうぶんに幸せを感じなのかもしれません。
いまこそまさに「好きなことで生きていく」の終焉。
もうこの「好きなことで生きていく」に振りまわされることなく、これからは「嫌いなことをしてし死なない」の精神で自分のペースで生きていきましょう。
大原さんの著書『年収90万円で東京ハッピーライフ』もぜひ読んでみてください。
・好きなことで生きている人は発信力が優れている方が多い
・好きなことで生きなきゃいけないのかな、と思いがちになってしまう
・好きなことで生きてなくても、『嫌いなことで死なない』で”満足”にたどりつく道筋もある
・人生の中で『嫌いなこと』『やりたくないこと』をリストアップして、それらをやらずにいられているという状態は幸せ